塗料とシンナーの希釈相性(相溶性)について

塗料とシンナーの希釈相性(相溶性)について
塗料とシンナーの希釈相性(相溶性)について
塗料とシンナーの相溶性

塗料は一般的に適したシンナーで希釈して使用されますが、その希釈シンナーが適切でないと塗膜品質に大きく影響し、最悪の場合塗装不良の原因となります。

塗料とシンナーの希釈相性(相溶性)とは何でしょうか?
間違ったシンナーとまぜあわせることで何がおこるのでしょうか?

このページでは塗料とシンナーの相溶性について解説します。

そもそも、塗料に希釈って必要なの?


塗装する前には塗料をシンナーで希釈しますが、一般的にメーカーから出荷される塗料には既に40%前後のシンナーが含まれています。

 

「出荷される塗料にシンナーが含まれているのなら再度調合する必要はないのでは?」と感じる方もいるかと思いますが、40%程度のシンナーではスプレーガン塗装する際には少なく、粘度が高過ぎて塗装できなかったり塗装不良を起こす可能性があったりするため、ご自身での希釈作業が必要不可欠です。

塗料とシンナーの希釈相性=相溶性とは


相溶性とは2種類以上の物質が溶けて混ざりあった状態を指します。
一方で非相溶性とは油と水のように2種類以上の物質が混ざりあわない状態です。

 


塗装する際に塗料とシンナーが混ざりあっていないと、色ムラができてしまったり塗膜が出来上がらなかったりと塗装不良が起きてしまいます。

間違ったシンナーによる希釈で起こること


各塗料には適応するシンナーがありますが、間違ったシンナーで希釈してしまうと以下の反応があります。

  • 塗膜品質の低下
  • 凝集反応
  • 溶解不足

希釈するシンナーの種類によって塗膜品質は変化しますし、不適切なシンナーを用いると塗料の成分とシンナーの成分が反応して凝集反応が起こったり、樹脂塗料においては溶解さえもしない場合があります。

 

例えば、ウレタン塗料はラッカーシンナーや静電シンナーで溶解することはできません。
これはウレタン塗料の硬化剤成分である「ポリイソシアネート」がラッカーシンナーや静電シンナーに含まれている「アルコール」と相性が悪いためです。

 

同様に「2液エポキシ塗料」にもポリイソシアネートが使用されているケースが多いため、アルコールを含むシンナーでの希釈はおすすめできません
一方で「1液エポキシ塗料」については、アルコールやグリコールが含まれていないと全く溶けない可能性も高いです。

アルコールを含むシンナーアルコールを含まないシンナー
ウレタン塗料×
2液エポキシ塗料×
1液エポキシ塗料×

どんな塗料にでも溶ける都合のいいシンナーは存在せず、各塗料にあった適切なシンナーを選定し使用することが重要です。
間違った組み合わせで塗装してしまうと塗装不良が起きクレームに繋がる大変な事態になるため、塗料とシンナーは常にセットで考えましょう。

 

溶解不足についてはインスタグラムで動画解説しています。

 

シンナーとの相性を疑った方が良い塗装不良


もし、下記のような塗装不良が発生した場合は塗料とシンナーの相性が良くないことが考えられるので、専用シンナーを使用していない場合は見直してみてください。

  • 塗膜に粒々とした異物がいくつか付着している(ブツ不良)
  • 色や光沢にムラがある(色ムラ不良)
  • ツルっとした塗膜にならず、ザラザラしている
  • 塗膜が縞模様やまだら模様になる(色分かれ)
  • スプレー塗装で塗料がミストにならず、糸状に垂れてくる(糸引き) ・・・など

もしこのような塗装不良が発生した場合、塗料商社として数多くの塗装現場を見てきたNCCならお客様の条件にあった最適なシンナーを「シンナー最適化サービス」によって調合・提供することが可能です。

 

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NCCでは、お客様が使用している塗料にあわせたシンナーのご提案が可能です。

現在お使いのシンナーでお困りごとがございましたら、お気軽にご相談ください。

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