塗料をろ過するフィルター素材の選び方


塗装現場のゴミブツ不良を防ぐためには、塗料のろ過が有効です。しかし、ろ過するフィルターの素材が適切でない場合、新たなゴミブツを発生させてしまう可能性があります。
塗料を濾過する方法
一般的な塗料の濾過方法は、シンナーで希釈した塗料をフィルターに注ぎゴミブツを除去する方法です。
この方法は比較的作業が簡単で多くの塗装現場で活用されています。
しかし、濾過するフィルターの素材が適切でない場合、新たなゴミブツを発生させてしまうため、素材の選び方が非常に重要となります。
塗料を濾過するフィルターの素材
塗料の濾過で使用される素材は大きく分けて2つあります。
1.和紙
和紙系の素材で多く使用されているのが「吉野紙」です。
吉野紙は、こうぞ(楮)紙でありながら、引っ張りに強く、ふっくらとした紙の地合が濾過に適してるため、江戸時代以来、漆や油を漉す漉紙として使用されてきました。
<和紙の注意点>
吉野紙は短い繊維でできており、目の粗さにバラつきがあるため、ゴミブツが通過してしまうことがあります。また、吉野紙そのものが脱落して塗料に混入するということもあり、塗料を濾過する素材としては、あまり推奨できません。
2.ナイロンメッシュ
ナイロンメッシュは、1本の繊維で編み込まれているため、均一な目の粗さでゴミブツを確実に捕らえることができます。また目のサイズが豊富で、塗料に合わせたサイズを選択可能です。
<ナイロンメッシュの注意点>
塗料によっては、のり付けの部分が剥がれてしまうことがあります。また、濾過する量が少なくても、1回ごとに1枚消費するためコストがかさむ場合があります。
塗料の濾過に最適な素材を選ぶポイント
フィルターの素材を選ぶ際は、塗装現場の状況によって作業効率やコストを重視する場合があるかと思います。
しかし、濾過の効果を最大化するためには下記のポイントで選ぶことをおすすめしています。
- 使用する塗料の性質
- 濾過する塗料の量
- 求められる塗膜品質のレベル
コストを重視した結果、ブツ不良発生によって再塗装ともなれば最初よりも高いコストが掛かってしまいますし、かといってオーバースペックな場合は製品に掛かるコストが見合わなくなるため、塗料のろ過工程は実は非常に選択が重要なんです。
NCCではお客様毎にオススメなろ過素材をご提案することが可能です。
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