粉体塗装とは?

粉体塗装とは?
粉体塗装とは?

粉体塗料

粉体塗料とは、名前の通り粉状の塗料を差します。
粉体塗料は顔料、硬化剤、添加剤、樹脂などの原料を細かく粉砕し粉状にした溶剤を含有していない塗料となります。

 

粉体塗料は溶剤塗料と違い、静電気を利用し被塗物に塗料を付着させた後に熱を加えて乾燥させることで塗膜が形成されるため、溶剤塗装と比較すると、環境汚染、健康被害、火災等のリスクを軽減しコスト削減を実現してくれます。
ですので、近年ではSDGs目標への貢献や環境意識の高まりとともに工業用途でも使用され、2018年には重量換算で日本の焼付塗料生産量の約16%程度が粉体塗料となっており、日本国内でもかなり普及が進んでいます。

 

良い部分が多くある粉体塗料ですが、万能ではないためデメリットも存在します。

粉体塗装のメリット・デメリット一覧


メリットメリットデメリットデメリット
環境面非危険物
溶剤臭気が無い
VOC対策(消防法)
リサイクルが可能
産業廃棄物の削減が可能
作業性色替えが面倒
専用塗装設備が必須
少量多品種生産に不向き
被塗物の耐熱性が必要
作業性厚膜塗装が可能
セッティング工程が不要
品質面ゆず肌が発生しやすい
保管面保管に危険物倉庫を必要としない発注面調色が難しく、小ロットでの注文は割高

メリットとしては有機溶剤が含まれていない分、安全面や環境面に大きなメリットがあります。また、特徴として1回塗りで厚膜塗装が可能で強固な塗膜を形成することが出来ることから、家電や自動車など多くの分野で活用されています。

 

しかし、デメリットとしては粉体塗料を使用するために専用の塗装設備が必要となるため大きな初期コストが掛かります。
また、色替え時の清掃を十分に行っていない場合は他の塗料混入が発生するなど不良発生のリスクもあります。

主な粉体塗料の種類


種類特徴主な用途
エポキシ系防食性、耐薬品性、耐熱性に優れ、その防食性から膜厚塗装となることが多い。耐候性は無いため、屋外暴露をさせるとチョーキング現象を引き起こす。水道管や水道関連資材、計器類、自動車部品
エポキシ・ポリエステル系経済性や耐熱性に優れ、塗膜外観や薄膜性、重ね塗りに向いている。
耐候性はエポキシ系並み
配電盤、鋼製家具、家電製品、自動車部品等の屋内製品全般に使用
ポリエステル系汎用性が高く、耐候性もあるため屋内外に使用可能。
耐蝕性や耐薬品性などのバランスが取れ、薄膜化、美粧性に優れている。
家電製品、農機具や自動車部品、金属製品や道路資材等の屋外用途に使用
アクリル系耐候性、耐汚染性、塗膜硬度に優れているが他品種と併用する場合はハジキに注意が必要ガードレールやアルミホイールなど主に屋外用途に使用
フッ素系超耐候性、耐光性、耐薬品性が極めて強く、建築外装用塗料として様々な建築の外装に採用されているが、コスト的には非常に高価である。建築外装、家電製品、厨房製品、建材

粉体塗料で塗装できる被塗物は溶剤塗料と比較すると限定されてしまうものの、作業性や工程短縮、性能等は溶剤塗料よりも優れている場合があるため、様々な観点から比較し検討する方が良いでしょう。
冒頭でも述べたようにSDGs目標への貢献や環境配慮への意識からより注目され粉体塗料が主流になる可能性もあるかもしれないですね。

 

 

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