静電用シンナーとは?
静電塗装におけるシンナー選定のポイント

静電用シンナーとは?静電塗装のシンナー選定ポイント
静電用シンナーとは?静電塗装のシンナー選定ポイント

静電塗装は、優れた仕上がりと効率的な塗布が可能な塗装方法として広く利用されていますが、その成功にはシンナーの選定が欠かせません。

静電塗装時には、「静電用シンナー」といわれる専用のシンナーを使用します。この静電用シンナーと他のシンナーとの違い、選定のポイントについて解説していきます。

静電用シンナーとは?


静電用シンナーとは、静電塗装工程において使用される塗料の希釈や、塗料の電気抵抗値を調整するために使われる特殊な種類のシンナーです。静電塗装は、塗料粒子を帯電させて被塗物に吸着させる塗装法であり、塗装効率や仕上がりの品質を向上させるために正しい知識が必要です。

静電塗装における塗料の電気抵抗値の重要性


静電塗装における塗料の電気抵抗値とは、塗料の導電性や絶縁性を示す指標です。電気抵抗値は、塗料中の物質の導電性によって決まります。一般的に、電気抵抗値が高いほど塗料は絶縁性が高く、電流が流れにくくなります。逆に、電気抵抗値が低いほど塗料は導電性が高く、電流が流れやすくなります。

 

静電塗装では塗料が希釈されることで、希釈後の電気抵抗値が適切な範囲内に収まるように調整する必要があります。

 

電気抵抗値が低すぎると、塗料が電極に流れてしまい、均一な塗膜を形成するのが難しくなります。逆に、電気抵抗値が高すぎると、希釈された塗料が静電塗装の効果を発揮しにくくなり、塗着効率が低下する可能性があります。

そこで塗料の電気抵抗値をシンナーで補正し、最適な抵抗値にする必要があります。最適な抵抗値にすることで塗着効率や微粒化が改善されます。

静電塗装における最適な電気抵抗値とは?


通常、塗料の電気抵抗値は100MΩ以上とされています。ただし、カーボンなどの導電性の高い素材を使用した黒色などの塗料は、10MΩを下回る場合があります。

 

塗料の電気抵抗値は一般的に20MΩ~100MΩ位が適していると言われていますが、「静電用シンナー」は何でも同じではなく電気抵抗値がそれぞれ違うので、最高の外観品質と塗着効率を得たいのであれば、塗料や被塗物・塗装機などにマッチングした静電用シンナーを塗装に使用することが重要です。

塗料の電気抵抗値が高い場合と低い場合の主な影響


電気抵抗値が高い電気抵抗値が低い
導電性低い高い
電流の流れやすさ難しい容易
塗料の絶縁性高い低い
塗着効率低下する可能性あり影響なし
均一な塗膜形成難しい形成しやすい
静電塗装効果効果が制限される可能性あり効果が最大限発揮される
塗膜の外観品質影響を及ぼす可能性あり影響なし
塗膜の耐久性高い低い

NCCでは静電塗装の条件出しを実施する際、電気抵抗値を計測しながらお客様の塗装環境にマッチしたシンナーを選定しています。
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