塗着効率とは?
今すぐできる改善方法も解説
塗着効率を上げてコストを下げる!スプレー塗装のコツ
スプレー塗装において塗着効率を上げることは、塗料の消費量が減るだけでなく、ブースの汚れ低減や清掃などの負担軽減、更には会社の「クリーンさ」等のイメージアップに繋がります。
しかし、塗着効率の向上は奥が深く、全てのお客様で共通に「これをすれば必ず向上します」という事はありません。ですが、塗装方法やガンの設定、ガンの種類、塗料の種類と塗装方式、ブースやシンナーに至るまで1つずつ見直すことで改善させることはできるでしょう。
ここでは、そもそも塗着効率とは何か?ということと塗装の仕方で改善するコツを解説します。
塗着効率とは?
塗着効率とは、「塗装時に使用した塗料」と「塗装物に付着した塗料」の比率のことを言い、「どれだけ塗料が無駄なくワークに付いたか」を表す指標です。
スプレーガンなどのカタログを見ると「塗着効率○○%」と書かれている場合もありますが、実際の使用現場や使用方法により塗着効率は変わってきます。
一般的に、通常のエアースプレーガンの塗着効率は30~55%、静電塗装では50~70%と言われています。拭き漏らした粉を回収して利用できる粉体塗装は、理論上100%に近い塗着効率となりますが、被塗物の素材や品質といった点で使用先が限られます。
塗着効率の計算方法
塗着効率は、
塗着効率=製品付着した塗料固形分÷使用した塗料固形分×100
固形分を計算して求めるのは、希釈率や塗料の種類により塗布量(塗膜量)が変化するためです。このため、正確に塗着効率を把握するためには塗料固形分を「塗料の重量」ではなく「塗膜重量」として求める方が適切です。
詳しい求め方はこちらをご覧ください。
塗着効率を改善させるスプレー塗装のコツ
塗着効率を改善するために、「もっと塗着効率が高い塗装機に変えたほうが良いのかな?」とお考えの方もいると思いますが、実は現在お使いの塗装機でも今すぐ確認することで改善できる可能性があるポイントが2つあります。
- 塗装機器の標準仕様を見直す
- 塗装のやり方を見直す
<塗着効率改善のコツ-1>
塗装機器の標準仕様を見直す
スプレーガンには、それぞれに最適なスプレー状態になる条件が定められており、これが標準仕様と呼ばれるものです。日頃の塗装作業で、温湿度や塗装量によって塗装条件を変えることがあると思いますが、特に
・吹付空気圧力
・パターン開き
・吹付距離
・塗料粘度
の4つについて標準条件から大きく外れている場合は今すぐ見直す必要があります。
標準から大きく外れると気付かないうちに多くの塗料を捨てることになりかねません。
<塗着効率改善のコツ-2>
塗装のやり方を見直す
スプレーの吹き方でも塗料の付着量が変わり、塗着効率が改善されます。具体的には、
・スプレーガン角度・・・被塗物に対して垂直にする
・スプレーパターン幅・・・パターン幅を狭くする
・スプレーガン距離・・・スプレー距離を近づけ、一定に保つ
といった事がポイントです。
そして、塗装において重要な「美観」も両立させるために、「霧化エアー圧」と「吐出量」
を細かく調整し、自社環境での最適な条件を見つけましょう。
詳しい塗着効率の改善方法はこちら
塗着効率改善について注意点
塗着効率改善の為に、塗装機を変更するケースもあると思いますが、塗装機を変えたら塗装環境も変更しなければ最適な塗装条件になりません。霧化風量、霧化エア圧などのガンコンディションだけでなく、ブースの風速やシンナーの選定、希釈率の変更などトータルで変更しないと、塗装品質と塗着効率の両立は難しいと言えます。
NCCでは、お客様の現場における塗着効率測定と具体的な改善策のご提案が可能です。
塗着効率についてのお悩みはお気軽にご相談ください。
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