粉体塗装の前処理とプライマーについて
前処理について
粉体塗装とはいえ特別な前処理をする必要があるわけではなく、溶剤系塗装と同様の工程と考えて問題ありません。
大きく3つの素材に分けてご紹介します。
SECC（電気亜鉛メッキを施した鋼板）などの防錆処理鋼板の場合
一般的な鈑金製品に使用されているSECCは基本的に脱脂のみで直接粉体塗装が可能です。
SPCC（冷間圧延鋼板）及びSHCC（圧延鋼板）の場合
配電盤・金属キャビネットなどに使用されることの多いSPCCやSHCCには脱脂後、リン酸亜鉛またはリン酸鉄処理などの化成処理をおすすめします。
非鉄金属の場合
ステンレスやアルミなどの非鉄金属においては、エッチング処理やノンクロメート処理など金属に合った下地処理、前処理が必要になります。
プライマーについて
プライマーは英語で「primer」といいます。これは「primary（一番目、最初の）」に由来しており、下塗り・中塗り・上塗りの塗装工程の中で1番最初にある「下塗り」を指します。
粉体塗装のプライマーも溶剤塗装と同様に、「より高い防錆性能の付与」と「塗料との密着性向上」などの役割を担っています。
プライマーの種類
プライマーは溶剤系プライマーと粉体プライマーの2種類に分けられます。
溶剤系プライマー
一般的に一液特殊変性エポキシ塗料が使われています。
2コート1ベークタイプと2コート2ベークタイプがありますので、使用に際して注意が必要です。
粉体プライマー
主にエポキシ樹脂粉体が使われることが多く、密着性や防錆性に優れた下地が得られます。厚膜指定の粉体塗装では特に有効です。
また、より高い防錆性が必要な場合はジンクパウダーの粉体塗料を使用することにより、溶融亜鉛メッキに匹敵する防錆性を得ることができます。
粉体塗装においても前処理やプライマーの選定は重要な要素といえます。
NCCでは塗装される製品の主要用途に合った前処理やプライマーを選定しています。
選定に関するご相談はお気軽にお問い合わせ下さい。
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