粉体塗装における粉塵火災・爆発対策
粉体塗装は有機溶剤が含まれていない粉状の塗料です。
粉体塗料そのものに火気を近づけても爆発・発火の危険性は少ないですが、空気中に浮遊している粉塵に着火し、粉塵爆発を起こす危険性はあります。
粉塵火災・爆発の発生理由
粉塵火災・爆発は「粉体の爆発下限濃度」と「着火エネルギー」が満たされると引き起こされる可能性が高まります。
粉体塗装は、静電気の力を利用するためガン先端部にあるチャージ電極から塗料粒子へ100KV近い高電圧をかけ、静電気の力で製品に塗着させ塗装します。
一般的に粉体塗装ガンの先端部に蓄積する着火エネルギーは着火条件以下に設計されているので理論的には安全ですが、被塗物に長時間ガンを近づけたり、アース不良によってガン先に静電気が蓄積すると発火する恐れがあるため細心の注意が必要です。
また、排気設備がきちんと整備されておらず、粉体塗料が高濃度でブース内に浮遊している場合、塗装機同様に火花を発生させる着火源があると危険度が増します。
粉塵火災・爆発を防ぐには
粉塵火災・爆発による悲惨な事故を防ぐためには隙のない管理体制を敷くことが重要です。
では、粉塵爆発を防ぐためには、どのような対策が必要なのでしょうか?
①静電気が蓄積しない環境を整える
被塗物、塗装ブース、ハンバーなど十分にアースをとることや、床に水をまくことが有効です。しかし、粉体塗料が水に塗れないように注意が必要です。
②粉体塗料管理の徹底
粉体塗料を扱ったり保管する際に、粉塵が容器から漏れないように注意が必要です。
漏れてしまった場合はすぐに清掃して粉塵を除去しましょう。
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