塗着効率向上のための見直しポイント:失敗しない2つの基本

塗着効率向上のための見直しポイント:失敗しない2つの基本
塗着効率向上のための見直しポイント:失敗しない2つの基本

塗装現場のコストダウンと塗着効率から

塗装現場でのコストダウンを実現するためには、まず「塗着率と塗料ロス率」を正確に把握することが出発点となります。

 

塗着率は使用した塗料のうち、実際に製品に付着した量の割合を示します。

つまり、吹き捨てているロス量を減らすことができれば、自然と塗着効率は向上します。

 

「より性能の良い塗装機器に買い換えれば塗着率が上がる」と考えがちですが、実は機器の性能を最大限に引き出せていないケースが少なくありません。

 

新しい機器を導入しても期待通りの塗着率が得られないという声をよく耳にします。

見直しポイント1:スプレーガンの仕様を最適化する


塗装機器の使用条件の確認から始めましょう。

スプレーガンにはそれぞれに「最適なスプレー状態」になる条件が定められています。

 

特に確認すべき基本条件は以下の4点です:

  • 吹付空気圧力
  • パターンの開き
  • 吹付距離
  • 塗料粘度

この標準条件から大きく外れたまま使用していると、気づかないうちに多くの塗料を無駄にしていることになります。

 

これらの数値はガンの種類や塗料供給方式によって異なりますが、標準条件から大きく外れている場合は一度メーカー推奨の設定に戻してみましょう。

それだけで塗着効率が向上するケースがあります。

見直しポイント2:塗装方法を最適化する


機器の標準条件を確認した上で、さらに塗着効率を向上させるには塗装方法自体の見直しが効果的です。

 

特に注目すべきは以下の3つのポイントです:

1.スプレーガン角度:まっすぐ

被塗物に対してまっすぐ向ける

2.スプレーパターン幅:狭く

必要以上に広げない

3.スプレーガン距離:近く

適切な距離を保つ

塗装条件と塗着効率の変化

塗装条件塗着効率の変化塗料削減率
スプレーガンの角度を
塗装面に対して垂直にする
角度45度で塗着効率30%程度の場合、90度(面直)にすると、40%程度へアップすることが望める30%程度
パターン幅を狭くするパターン幅150mmで塗着効率40%程度の場合、80mmにすると、50%程度へアップすることが望める20%程度
スプレー距離を近づけ一定に保つ距離300mmで塗着効率40%程度の場合、200mmにすると、50%程度へアップすることが望める12%程度

※上記塗着効率の数値は、静電塗装機を使用し塗装条件を変更した状態を示します。
※上記数値は効果の一例であり、被塗物、塗料や塗装環境などにより異なります。
※仕上り品質に影響が生じない範囲で塗装条件を調整します。

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この3点を「まっすぐ」「狭く」「近く」の原則で改善することで、無駄な吹き捨て量を大幅に減少させることができます。

特に「まっすぐ」と「狭く」の改善は、即材に塗料ロスの削減につながります。

 

基本を見つめなおすことが、コストダウンの実現の出発点です。

 

「見直しをしても改善されない」といった場合には、皆さまのお悩みを解決する取組みを行っておりますので、

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