色について知る:1.色見本帳で認識ずれを防ぐ

色について知る:1.色見本帳で認識ずれを防ぐ
色について知る:1.色見本帳で認識ずれを防ぐ

色を正確に伝える技術でトラブル回避!
色見本帳と色番号の基礎知識

曖昧な色指定が引き起こすトラブル


「ベージュで塗装しておいて」と言われたとき、どんなベージュ色を思い浮かべますか? 

ミルクティーのような茶色っぽいベージュ、それとも白が強い明るいベージュ?

色の名前だけでは人によって想像する色が異なり、認識のずれが生じます。

 

製品塗装において、この曖昧さは品質のバラつきを招き、大きなトラブルや信用問題に発展する恐れがあります。

色番号で正確に色を伝える


このような問題を解決するのが「色見本帳」「色番号」です。

 

色番号は各色に割り当てられた独自の識別コードです。

例えば日塗工色見本帳では「T09-50X」のように表記されます。

この番号を使う事で、誰でも同じ色を正確に認識できるようになります。

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主な色番号の種類と特徴


色見本帳には複数の種類があり、用途によって最適な色見本帳が異なります。

日塗工色番号

日本の塗料メーカーが加入する「一般社団法人 日本塗料工業会」が発行。
654色が掲載され、塗料用標準色として最も一般的です。

マンセル色番号

色相(色味)・明度(明るさ)・彩度(鮮やかさ)の3要素で数値化されています。
塗料の色を伝えるための色見本帳です。

RAL番号

ヨーロッパで使用されている工業関係の色見本です。
この色見本を使用し塗料を調色するのには向いていません。

企業が発行する色番号

DIC色番号やパントン色番号など、主に印刷用とで使われる色見本帳です。
塗料で再現できない色も含まれるため注意が必要です。

日塗工色番号の見方


日塗工色番号は色の特徴を数値化して表現しており、その構成は以下のようになっています。

無彩色(白・黒・グレー)

例えば「LN-95」であれば、【発行年記号】【L】-『明度区分』
*【L】はNeutral(ニュートラル)の意味を表しています。

有彩色(その他の色)

例えば「L95-80L」であれば、【発行年記号】【色相区分】-『明度区分』『彩度区分』

補足すると上記1文字目のアルファベットが『発行年記号』で、2年毎に発行され都度変わっていきます。

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日塗工色番号は色相・明度・彩度を上記のように数値化して表現しているので、色をイメージしやすく、正確に伝えることができます。

プロによる高精度調色サービス


色見本帳で希望の色が見つからない場合でも、近い色番号をもとに塗料を混ぜて調合し、理想の色を作り出すことができます。

これを調色といいます。

 

現代の調色は、測色計とコンピュータシステムを使用して高精度に行われています。

特に複雑な色は、国家資格である「塗料調色技能士」による専門的な技術が必要です。

 

塗料で確実に再現できる色を指定するには、日塗工色番号を使用するのが最適です。

希望の色が見つからない場合は他の色見本帳から注文することも可能ですが、再現可能かどうかを必ず事前に確認しましょう。

 

NCCでは国家資格を所持した「塗料調色技能士」による専門的な調色サービスを提供しています。

下記のリンクにて詳細を記載しておりますので、ぜひご覧ください。

 

お客さまのご要望にあわせたサポートを行っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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