塗装におけるマスキングとは?効率的な手法と選び方

塗装におけるマスキングとは?効率的な手法と選び方
塗装におけるマスキングとは?効率的な手法と選び方

塗装におけるマスキングとは

塗装作業において、特定の箇所に塗料を付着させないよう保護する「マスキング」は、品質向上と作業効率化の重要な要素です。

「養生」という言い方もあります。

適切なマスキング手法を選択することで、作業時間の短縮とコスト削減を実現できます。

マスキングの基本的な役割


塗装作業では、デザイン上の理由や機能的な目的から、塗装したい箇所と塗装を避けたい箇所が発生します。

ねじ部分やアース接続部など、塗料が付着すると機能に支障をきたす箇所を確実に保護するのがマスキングの主な役割です。

主なマスキングの種類


マスキングテープ

1.テープ

最もスタンダードな方法で、素材の形状に沿って保護が可能です。

選定時は以下の2点を確認しましょう。

テープの耐熱温度

右にいくほど耐熱性が高くなります。
・テープの素材:和紙<クレープ<ポリエステル<ポリイミド 
・粘着層:ゴム<アクリル<シリコン

テープの接着強度

素材の表面状況に応じて、剥がれにくさと除去しやすさのバランスを考慮した接着強度を選択します。

マスキングシール

2.シール

豊富な種類が市販されていますが、製品にあわせて自社で製造し使用する方法もあります。

その場合コストはかかりますが、作業メリットを鑑みて十分な効果が期待できます。

使用時のポイントは、製品の上から密着させることです。

シリコン製マスキング

3.シリコン製マスキング

ねじ部や貫通穴のマスキングに最適で、押し込むだけの簡単な作業で確実な保護を実現します。

耐熱性にも優れ、焼付塗装にも対応可能です。

袋穴の内部空気が抜ける構造など、製品に会わせて設計することもできます。

4.樹脂・薄板製マスキング治具

製品のCADデータから専用設計される高精度なマスキング治具です。

初期コストは高めですが、量産時にはコスト削減効果が期待できます。

 

5.電鋳マスキング治具

量産品に最適で、ワークの固定とマスキングを同時に行えるため、大幅な作業時間短縮を実現します。

プラスチック製品にメッキを重ねて製作する高精度治具であり、生産性向上に大きく貢献します。

マスキング後の適切な処理


除去タイミングの最適化

テープやシールは完全硬化前の適度に硬化が進んだ段階で除去することで、塗膜の割れやギザギザを防ぎ、きれいな塗り分けが完成します。

定期メンテナンスの実施

繰り返し使用する治具は、浸漬洗浄・高音波洗浄などの適切な方法で定期的なメンテナンスを行います。
静電塗装の通電不良や塗装片脱落による品質低下を防ぐため、使用頻度に応じた適切なタイミングでの実施が重要です。

最適なマスキング手法の選定

製品形状、生産数量、求められる精度レベルを総合的に評価して、初期投資とランニングコストのバランスを考慮した手法選択が重要です。
テープによる手作業から作業治具まで、それぞれの特性を理解して最適な組み合わせを検討することで、塗装工程全体の効率化を実現できるでしょう。

適切なマスキング手法の導入は、生産性に直結します。

マスキングの選定にお悩みでしたら、お気軽にNCCにお問い合わせください。

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