自動塗装機とは?基礎知識とメリット・デメリット

自動塗装機とは?基礎知識とメリット・デメリット
自動塗装機とは?基礎知識とメリット・デメリット

自動塗装機の基本を知る

近年の人出不足や品質安定化の要求により、塗装工程の自動化が注目されています。

しかし「自動塗装機」と一言で言っても、各メーカーから様々な装置が展開されていますから、現場に適したものを選ぶのは簡単ではありません。

 

実は自動塗装機は、動作に着目することで大きく2つのタイプに分類できます。

「多軸塗装ロボット」と「レシプロ塗装機」です。

それぞれの特徴を理解することで、現場に最適な選択が可能になります。

多軸塗装ロボットの特徴


多軸塗装ロボットは、熟練した塗装作業者の動作をロボットで再現した装置です。

「作業者をロボットに置き換える」というイメージが最もフィットし、複雑な三次元的な動きによって被塗物に対して狙った箇所を正確に塗装できます。

多軸塗装ロボットのメリット

・複雑な動きができ、塗りたい箇所を狙って塗装できる。
・設定次第で無駄吹きをカットし、塗料使用量を削減できる。

多軸塗装ロボットのデメリット

・複雑な動き故に、動作をティーチングするのが難しい。
・最適な条件を出すための経験や知識が必要

レシプロ塗装機の特徴


レシプロ塗装機は、上下や左右の一方向を一定速度で往復しながらスプレー塗装を行うシンプルな装置です。

「塗料の霧の中にワークを通す」イメージで、直線的な動作により塗装を行います。

4ガン仕様のレシプロ塗装機

>4ガン仕様のレシプロ塗装機

赤丸部分はセンサーとなり、塗装工程直前に配置されている

>赤丸部分はセンサーとなり、塗装工程直前に配置されている

レシプロ塗装機メリット

・静電塗装機と組み合わせることで、複雑形状などの大部分も塗装が可能。
・難しいティーチングが不要で、範囲などの簡単な設定のみ。

レシプロ塗装機デメリット

・複雑形状のワークでは、補正作業が別途必要
・塗料使用量が多くなる

搬送システムの重要性


自動塗装機の導入では、塗装機本体だけでなく、ワークを搬送するシステムも重要な要素です。

ワークの搬送方法により生産性や製品品質が大きく左右されるためです。

 

 主な搬送方式の特徴:

ハンガー式

ワークをハンガーやフックで吊り下げて搬送する方式です。
大型ワークの搬送が可能で、反転により表裏両面の塗装ができますが、ワークが揺れやすく、位置の固定が課題になります

フロアコンベア式

製品を下側から支えるタイプで、位置決めがしやすく重量のあるワークにも対応できます。多軸塗装ロボットとの相性が良い反面、設置する床のスペースを要求します。

網吹き式

小型ワークに適した方式で、比較的省スペースで設置できますが、片面塗装のみとなります。

自動塗装機選定のポイント


自動塗装機やワークの搬送方法は、生産性や製品の品質に大きく影響します。

自社に最適な塗装工程の自動化設備を選ぶためには、

  • ワークの形状やサイズ
  • コスト
  • 補正の有無

これらの要素を総合的に検討する必要があります。

 

導入前には専門家への相談も検討し、長期的な視点で最適な設備を選択することをお勧めします。

より詳細に知りたい方や疑問をお持ちの方は、お気軽にご相談ください。

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