なかなか減らない繊維ゴミに
効果的な対策
乾燥すると静電気が発生しやすくなり、繊維ゴミもより活発になります。
クリーンルームやクリーンブースを設置しても、なかなか減らない繊維ゴミに対しては、どのような対策を取れば良いでしょうか。
そもそも繊維ゴミとは?
繊維製品(布、衣類など)から発生する微細な繊維や糸くずのことを指します。繊維が摩擦や摩耗によって剥離され、小さな繊維のかたまりや糸くずとして周囲に放出されることがあります。これらの微細な繊維や糸くずが空気中に浮遊し、工場やクリーンルームなどの清浄な環境に影響を及ぼすことがあるため、特にクリーン環境では問題となります。
繊維ゴミの特徴
・比較的軽量
・吸湿しやすい
・絶縁物のため静電気を帯びる
これらの特徴から、繊維ゴミは空気中に浮遊し、気流によって運ばれて吹き溜まりに集まったり、静電気によって壁にくっついたりして、綿ボコリのようなかたまりになっていきます。そして、衝撃や人の動作によって引き起こされる気流によって、再び舞い上がり、周囲に再び飛散します。
繊維ゴミの対策
繊維ゴミの主な発塵源は、「人」による作業現場への持込です。
ここでポイントとなるのが前室の構造と衣類の管理、入室ルールです。
<対策その1:ゾーニング>
持ち込みゴミを減らすためには、ゾーニング(エリア分け)が非常に重要です。前室への入室、着替え、入室までの動作を設計することで大きな差が生まれます。
<対策その2:衣類の選定>
静電気の発生を抑えるため、導電性の衣類を選んだり、繊維が細かく、ゴミを吸着しやすい素材は避けるなど適切な選定を行ってください。また、工場への入室時にユニフォームに着替えるだけでも効果が得られる場合があります。
<対策その3:生産環境の加湿>
加湿も効果的な対策です。塗装工程など、加湿によって製品に影響が出ない工程では床に水をまく事で舞い上がりを防止し、加湿することで繊維ゴミの飛散を防止することができます。
これらの対策を総合的に取り入れることで効果的な繊維ゴミ対策が実現できます。
繊維ゴミの付着を防ぐクリーン化機器
クリーンルームに人が入る限り、繊維ゴミ対策は継続的な課題です。かといって、入室人員を減らすことは難しい・・・そんな時は『オープンクリーンシステム KOACH』が有用です。KOACHは作業工程に設置し、作業中の繊維ゴミ付着を防ぐことができます。極端な場合では一般環境でもKOACHを利用することで繊維ゴミ対策が可能です。
人手作業の多い工程では局所クリーン化が生産性を向上させる場合があります。
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