クリーンルームの四原則とは
- ∨ クリーンルームの四原則とは
- ∨ クリーンルーム四原則 1.「持ち込まない」
- ∨ クリーンルーム四原則 2.「発生させない」
- ∨ クリーンルーム四原則 3.「堆積させない」
- ∨ クリーンルーム四原則 4.「除去(排除)する」
「クリーンルームの四原則」とは?
概要から具体的な取り組み事項についてクリーン化のプロが解説!
クリーンルームの四原則とは
塗装工程や電子部品の製造など、ゴミ・異物を嫌うものづくりの現場では、作業環境の清浄度が極めて重要であり、
クリーンルームも適切な管理が欠かせません。
その清浄度を維持するために設けられた4つの基本原則が、「クリーンルームの四原則」です。
クリーンルームの四原則は以下の通りです。
<クリーンルームの四原則>
① 持ち込まない
② 発生させない
③ 堆積させない
④ 除去(排除)する
この四原則に基づき、具体的にどのような取り組みを行うべきなのかご紹介します。
クリーンルーム四原則 1.「持ち込まない」
エアフィルターのリーク防止
外部から汚染された空気がクリーンルーム内へ進入しないよう、エアーフィルターを正しく設置しましょう。
クリーンルームを正圧(陽圧)に保つ
クリーンルームが正圧(陽圧)であることで、外部からの汚染物質の侵入を防ぎ、クリーン環境の清浄度を維持できます。
入室ルールを遵守する
作業者に付着したゴミ・異物による汚染を防ぐために、作業者は防塵衣を正しく着用し、エアーシャワー等を使用し、防塵衣表面の塵埃を除去して入室しましょう。
材料や機材は、清掃後、パスボックスを通して持ち込む
クリーンルーム内へ材料や機材を持ち込むときは、エアーシャワーを使用せず、パスボッ クスを通して持ち込んでください。
私物は持ち込まない
スマートフォンや、ハンカチ、ティッシュペーパー等の個人所有の物品は、一切クリーン ルーム内へ持ち込まないことで、私物に付着していたゴミ・異物の侵入を防ぎます。
喫煙後はうがいをし、手洗いをする
喫煙後おおむね15分間、呼気から発塵をします。うがい、手洗いを徹底しましょう。
クリーンルーム四原則 2.「発生させない」
作業者は防塵衣を着用する
作業者は大きな発塵源となります。防塵衣は専用のクリーニングを行い正しく着用しましょう。
発塵し易い材料・備品は使用しない
普通紙や段ボール等の発塵し易い材料は、クリーンルーム内への持込みを禁止しましょう。
塵埃の発生源となります。
材料の発塵評価を事前に実施する
事前に発塵の程度を調査することで、不良を解析し対策につなげる際に有効となります。
無駄な動きを少なくする
大きな動作によってクリーンウェアの襟元や袖口からの発塵(ポンピング発塵)が発生します。
作業環境で人が動きやすい導線づくりも検討しましょう。
除塵マットの剥がし方に注意する
除塵(粘着)マットを剥す際の発塵も大きな不良要因です。外周から包み込むように丸め込み丁寧に剥しましょう。
クリーンルーム四原則 3.「堆積させない」
製品を床面に直置きしない
床面は塵埃・異物が堆積しやすい場所です。
ウエストライン600mm以上に置くのが理想です。
ダクトや配管類の室内における露出を減らす
ダクトや配管類の露出は、その表面にゴミ・異物が堆積し易くなります。
できるだけカバー等を施し、露出を減らすと良いです。
清掃しやすいレイアウトに配慮する
清掃し難いコーナーや機器回りをつくらない等、清掃精度の向上と効率化を考えレイアウトを見直しましょう。
床と壁のコーナーはR構造にすると清掃がし易くなります。
室内の仕上げには平滑な表面を使用
室内の仕上げは平滑な面にすることで、微細な粒子汚染物の溜まり場にならないようにしましょう。
気流(空気の流れ)を活用する
製品に、微速な清浄空気の流れ=気流を向けると汚染物が付着せず、堆積するのを防ぐことができます。
クリーンルーム四原則 4.「除去(排除)する」
クリーンルームの換気回数を多くする
クリーンルームでは、空気循環回数で清浄度レベルが決定されます。
対象エリアの汚染負荷に応じた換気回数を検討しましょう。インバーターなどの数値管理をするとよいでしょう。
発塵の多い場所は局所排気する
濃度の濃い場所、発塵箇所直近に局所排気装置を設置し、効率的な排気をとることが重要です。
さらにクリーンルームの管理を効果的かつ継続的に行うために、NCCでは四原則に「+1(プラスワン)」の取り組みを推奨しています。
クリーン環境構築に関するお悩み事はお気軽にお聞かせください。