粗大粒子と微小粒子の違いとは?
粗大粒子とは?クリーンルームでは対策できないって本当?
粗大粒子対策のプロが基本から対策方法まで解説
生産管理や品質保証関係の部署に所属している方が異物不良対策について調べていると、「粗大粒子」という言葉を耳にするかもしれません。
実は一般的に異物不良となりうる「ゴミ・ホコリ」の粒径はほとんど「粗大粒子」に該当するもので、クリーンルームクラスで管理する「微小粒子」とは対策方法が異なります。
では、具体的にどのようなものを粗大粒子と呼び、どのように対策すればよいのでしょうか。
粗大粒子に注目した異物不良対策のパイオニアであるNCCが解説します!
粗大粒子と微小粒子 ~定義と粒径の違い~
「粗大粒子」と「微小粒子」の違いは、JISZ8122:2000のコンタミネーションコントロール用語で定義されている粒子の大きさの違いによるものです。
ー粗大粒子とは?
粒径が10μm~100μm程度の粒子で、地上に落ちる性質があります。
ー微小粒子とは?
粒径が1μm程度以下の粒子で、気体中や液体中に浮遊し、ほとんど沈降しません。
押さえておくべき違いのポイントは、微小粒子は「浮遊し、沈降しない」のに対して、粗大粒子は「浮遊せず、沈降する」という点です。
粗大粒子と微小粒子 ~材質による挙動の違い~
材質による違いとして、同じ大きさの粒子でも、重い材質の粒子(例:金属)は地上に落ちやすく、軽い材質の粒子(例:繊維や紙粉)は気流の影響を受けて漂ったり落下したりします。このように、粒子の「重さ」と「形状」によって挙動に違いが生じます。
ゴミ・異物の中でも特に繊維ゴミは要注意です。
100μm以上の大きなゴミでも、落下したものが気流で舞い上がり、気流に乗って広範囲に飛散します。
微小粒子も浮遊して壁や天井に付着することはもちろん、静電気などの引力で粒子を集めて大きくなり落下する現象が起きるため、壁や天井も定期的な清掃が必要です。
実は、「クリーンルームでは粗大粒子を対策できない」ことの理由も粒子の挙動にあります。
クリーンルームはフィルター及び空調によって清浄空気と汚染空気を入れ替えますが、これは空気中に浮遊している微小粒子を対象としています。
重さがあり、静電気の影響を受けやすい粗大粒子は空調では回収されにくく作業台や床に落下し、人間や物の動きによって再飛散することを繰り返すため除去されにくく、「クリーンルームで清掃しているのに異物不良が減らない」といった問題を引き起こします。
またクリーンルームの清浄度を測定するのに「パーティクルカウンター」がよく用いられますが、パーティクルカウンターも空気中に浮遊する微小粒子しか計測できないため、クリーンルーム内の粗大粒子に中々気付けない・・・ということもあります。
粗大粒子と微小粒子の対策ポイント
- 粗大粒子への対策
1.粗大粒子の堆積箇所や気流を確認する
粗大粒子は気流に乗って移動したり堆積したりする特性があるので、ホコリが見えるライト(クリーンチェックライト等)を使用して室内に堆積しやすい場所があるか、また作業台や設備など異物付着を嫌う場所に粗大粒子が付着していないか見える化して確認します。
2.落下塵の粒径と数を計測する
粗大粒子が堆積しやすい箇所が明らかになったら、落下した粗大粒子の粒径と数を自動で測定できる計数機器(落下塵カウンター等)を用いて自社の粗大粒子の粒径や数を計測します。
これにより、自社の異物原因の目星が付くだけでなく、定期的に計測することで粗大粒子を管理することができます。
3.粗大粒子を除去する
1、2で粗大粒子のある場所がわかったら、粒子の除去(清掃)と原因の対策を行います。
- 微小粒子への対策
”漂っている微小粒子”は、フィルターで空気をろ過し除去をします。
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