落下塵測定サービス・成分分析実施事例
原因不明の異物不良を特定、効果的な対策へ
クレーム対処に会社をあげて取り組んだ長野県N社の事例
改善キーワード:異物不良対策、落下塵測定、成分分析、直行率向上、クリーンルーム
長野県 電気機器製造 N社様
お客様のお困りごと
クラス10,000のクリーンルームにて電気機器製造を行うN社様は、これまで異物付着はあったもののその異物が何か、またいつ付着しているのかわからなかったためクリーンルーム入室前の除塵や出荷前の拭き上げなど思いつく限りの対策を実施していましたが、効果を実感できるほど直行率に変化はありませんでした。
しかし、納品先より異物付着のクレームを受けたことで会社全体で異物不良対策に取り組むこととなり、かねてより付き合いのあったNCCへご相談を頂きました。
NCCの提案
不良の原因が不明確であることから、異物不良になるサイズの異物が環境内にどの程度あるのか、またそれがどのようなものなのかを調査できる「落下塵測定サービス」と「成分分析」をご提案しました。
サービス紹介
「落下塵測定サービス」は繊維ゴミなどある程度の大きさがあり、時間経過で沈降する性質をもつ「落下塵」を採取・測定することのできる「落下塵カウンター」を用いた測定サービスです。
これにより、生産環境中にどの程度の大きさの異物がどのくらいの数存在しているのか知ることができます。
また、成分分析はFT-IRという赤外線を用いた分析装置を利用して成分特定を行います。
この分析では、物性だけでなく保存されているライブラリーデータ46,000点の中から具体的な商品名まで特定できる場合があります。
測定および結果
落下塵カウンター専用のシリコンウエハを、製造・組立・出荷前検査のそれぞれの工程に複数個設置し、異物のサンプリングを行いました。
これにより、特に組立工程において50μmほどの異物が多く検出されました。
また、成分分析を行うことによりこの異物の波長が繊維質であることがわかり、組立工程でのみ使用しているクリーンワイパーが原因だと考えられました。
改善効果
発塵が無いと思いクリーンルームに持ち込んでいたクリーンワイパーが異物不良の原因の可能性であることが示唆されたことを受けて、同社ではこのワイパーをクリーン環境へ持ち込み禁止とし、拭き上げ用ワイパーを低発塵タイプへ切り替えたところ直行率が約86%→90%へ4%も上昇する結果となりました。
お客様の声
「今回の分析と対策の前後で直行率が目に見えて向上し、大変満足している。」とお喜びいただき、「特に対策後、定期的に落下塵測定を依頼し数値的に不良原因を管理できるようになったことで、顧客に対する環境改善のPRにも繋がっている。」と企業イメージアップに効果的な対策を講じることができました。
弊社はこれまでの経験や知見に基づき、お客様毎に最適なご提案が可能です。
この事例に関する内容については、お気軽にお問い合わせ下さい。