静電気対策_1.静電気の正体を知る

静電気対策_1.静電気の正体を知る
静電気対策_1.静電気の正体を知る

静電気対策_入門編

深刻な問題を引き起こす可能性をもつ静電気は、製造現場の見えない脅威です。
まずは、静電気とは何か? なぜ発生するのか?を解説します。

静電気はどうして起こるの?


空気が乾燥する秋から春にかけて、服を着たときやドアノブを触ったときに「バチッ」とくることがありますよね?
ご存知のとおり、これが静電気です。
でも、なぜ静電気は発生するのでしょうか?

 

静電気発生のメカニズム

すべての物質は「+(プラス)」と「−(マイナス)」の等しい電荷を持っています。
ところが摩擦や剥離といった動作が起こると、「−」の電荷を持つ電子が物質から物質や移動する現象が発生します。

 

私たちの日常動作で言うと:

  • 歩く、走る(衣類の摩擦)
  • 椅子から立ち上がる(椅子から衣服が剥がれる剥離)
  • 服を脱ぎ着する(繊維同士の摩擦)

これらの動きによって物質内の電子に過不足が起こり、「−」または「+」の電気を帯びた状態になります。
これを帯電、帯電した状態を静電気と呼びます。
その後ドアノブや車などの金属に触れると、人に溜まっていた電気が金属に向かって流れ、あの「バチッ」が起こるのです。

日常動作で起こる静電気

製造現場でも同じようなことが起きている


人体と同様に、工場内でも静電気は常に発生しています。
製造現場での静電気の発生例は以下が考えられます:

  • 置いてある物や材料を移動させる
  • 設備や機械が動作する
  • ベルトコンベアが稼働する
  • 作業者が歩き回る
  • フィルムや包装材を使う
  • 塗装作業を行う

これらの作業で摩擦や剥離が起きると、静電気が帯電します。
製造現場では、この静電気が深刻な問題を引き起こす可能性があるのです。

静電気が引き起こす2つの大きな問題


静電気によって起こる重要な問題は、主に2つあります。

①静電気放電(ESD:Electrostatic Discharge)

火災や粉塵爆発の原因となる現象

 

導電性の物体と地面を繋ぎ、静電気を逃す配線を「アース」といいますが、このアースをしていない金属容器が帯電し、アースされている金属に近づくと、金属容器に帯電した静電気が一気にアースされた金属に放電する現象です。

 

特に危険な現場は:

  • 有機溶剤などの引火性のある化学品を取り扱う現場
  • 塗装工程
  • 小麦粉などの可燃性粉体を扱う工場
  • 電子デバイス製造現場

②静電吸引(ESA:Electrostatic Attraction)

ゴミや異物の付着を引き起こす現象

 

読んで字のごとく、静電気の力で色々な物が引っ張られる現象です。
冬場にズボンやスカートが足にくっついたり、ビニール包装が指から離れないといった経験があると思いますが、これも静電吸引によるものです。

 

製造現場でのゴミ・異物問題:

  • エアシャワー室内での付着
  • コンベアや作業台などへの蓄積
  • 見落としがちな壁や天井への付着

 

静電気を帯びた繊維ゴミは見た目が同じでも、「+に帯電しているもの」「−に帯電しているもの」「帯電していないもの」があり、気流に乗って飛び回っています。
符号が違う物体同士は引かれ合うため、壁にゴミが付着しゴミ同士がくっつき巨大化すると、振動や自重、気流などの影響で突然落下し、飛散します。

なぜ製造現場では静電気対策が必要なのか


日常生活では「ちょっとバチッとする程度」と軽く見られがちな静電気。
しかし製造現場では、想像を超える深刻な問題を引き起こす見えない脅威なのです。

 

製造現場での静電気リスク:

品質問題

ゴミ・異物付着による製品不良

設備トラブル

機器の誤動作や故障

安全上の危険

火災や粉塵爆発といった重大事故

作業効率の低下

リコートの増加

特にクリーンルーム、電子部品組立工程、塗装現場では、わずかな静電気でも重大な事故や品質問題につながる恐れがあります。
私たちが日常的に行っている動作が静電気を発生させ、それは製造現場でもまったく同様に起こっています。
だからこそ、確実な静電気対策が必要です。

 

具体的な静電気対策方法についての詳しい解説は、こちらからお読みいただけます。

 

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