局所クリーン化とは?
局所クリーン化とは、必要な場所や空間だけを
高い清浄度(クリーン環境)にすることです。
近年、製造品の小型化や電子制御部品の増加、意匠性・美観の向上などにより、求められる品質要求は厳しくなり、クリーン環境の構築を検討される企業様も増加しています。
ただ、”クリーン環境”というと「クリーンルーム」を真っ先に思い浮かべるのではないでしょうか。
しかし、クリーンルーム及びクリーン化機器の導入や、製造プロセスの変更など費用と手間がかかることは明白で、特に要求品質に対して環境がオーバースペックになるケースは避けたいものです。
そこでオススメなのが「局所クリーン化」です。
局所クリーン化とは、必要な場所や空間だけを周囲より高い清浄度(クリーン環境)にするクリーン化技術です。
局所クリーン化の手法
局所クリーン化には、いくつかの手法があります。
一つは、既にクリーンルーム内にある部分エリアを更にクリーン化し、より高度なクリーン環境を作る方法です。
もう一つは、一般環境の中で必要な箇所だけを簡易的にクリーン化する方法です。
特に、発塵が多い設備をクリーンルーム内に入れる場合、非一方向流(乱流式)のクリーンルームでは換気が間に合わず、異物不良が増える可能性があります。そうした場合は、なるべくオープンな環境を作り、上流から下流に向けて空気を吹き流す方法が有効です。
また、加工プロセスで発塵が多い場合は、加工エリアを隔離し、集塵設備を活用することが非常に重要です。シートやパネルを使って仕切り、気流を制御して周囲への拡散を防ぐ対策が必要です。クリーンブースやFFU(ファンフィルターユニット)を加工ラインに適切に設置し、気流の制御を行うことで効果的なクリーン化が実現します。
局所クリーン化の進め方
局所クリーン化を行う際には、以下の手順を踏んで製品目線でのアプローチを行います。
1. 加工点、保管場所、搬送経路の明確化
製品に関連する加工点、保管場所、及び搬送経路を明確に特定します。各エリアごとに作業者の導線も含めて考慮し、ゾーニングを行います。
2. 不良リスクの洗い出し
異物不良に繋がるエリアを特定します。これらのエリアを重点的に洗い出し、局所クリーン化の対象とします。
局所クリーン化は、クリーンルーム以上に管理が重要です。
製品の保管や作業エリア全体の気流管理、定期的な清掃など、クリーン化四原則に従った維持管理を行うことで、
ゴミや異物による不良のリスクを低減し続けることが可能になり、製品品質と生産効率の向上が実現されます。