粗大粒子管理の新指標PDRとは?
ISO14644-17に基づく完全ガイド

2. PDRを活用したリスクマネジメントと実践的対策

粗大粒子管理の新指標PDRとは?ISO14644-17に基づく完全ガイド 2. PDRを活用したリスクマネジメントと実践的対策
粗大粒子管理の新指標PDRとは?ISO14644-17に基づく完全ガイド 2. PDRを活用したリスクマネジメントと実践的対策

リスクマネジメントの基本的な考え方

リスクマネジメントとは、製品が不良になるリスクの評価を行い、課題を見つけてリスクを減らす活動のことです。

 

ISO14644-17では10㎛以上の粗大粒子は50%以上が表面に堆積し、40㎛を超えると90%以上が表面に堆積すると説明しています。

 

終端速度を用いて計算すると、10㎛の粒子が2mの高さから床に落下する時間はおよそ11分、100㎛の場合だと約8秒になります。

 

また粗大粒子は歩行や清掃作業で飛散し、換気システムでは飛散しないことも明記されました。
クリーンルームの換気回数を上げるだけでは粗大粒子の除去は難しく、清掃で除去することの重要性がうたわれています。

 

以上のような粗大粒子の特徴を考えると、粒子の堆積速度PDRは動作中の状態を測定する必要があると考えられます。

PDRは落下塵カウンターで算出することができます。

PDRを使ったリスク計算のための3条件


リスク計算するために、以下の3つの条件を決めましょう。

 

1. 最もリスクが高いエリアの特定
どの工程が製品に最も影響を与えるかを明確にします。

 

2. 影響する(不良になる)最小の粒子サイズを決定
製品の品質要求から、問題となる最小粒子サイズを特定します。

 

3. 決定した最小粒子サイズの最大許容量の設定
製品面積と作業時間を考慮し、付着してよい最大個数を決定します。

 

 

これらの条件を決定するための調査方法は、以下のアプローチが有効です。

  • 製品表面やプロセスへの汚染の影響に関する分析
  • 様々な清浄度環境での試験やシミュレーション
  • 故障または品質低下となった汚染の分析

これらの調査を行い、製品が求める粒子の付着量を決定していきましょう。

 

製品品質要求から逆算して、許容できるPDRを計算することもできます

許容できるPDR=許容できる最小粒径の個数÷(製品の面積×作業時間)

 

たとえば、許容できるPDRが20㎛で500個/㎡・hの場合、実際に測定したPDRが1000個/㎡・hであれば、許容量を超えているためPDRを下げる対策が必要だと判断できるのです。

ISO14644-17に基づくリスク低減方法


ISO14644-17では、堆積粒子による表面汚染リスク低減の方法として、以下の9つの項目が記載されています。

  • 1.入室制限と動作規定
  • 2.クリーンウエア(粗大粒子対策)
  • 3.入室ルールと更衣室の管理
  • 4.クリーンウエアのクリーニング(適正な頻度)
  • 5.作業手順と行動規制
  • 6.入退室ルール
  • 7.清掃
  • 8.持込み物の清掃
  • 9.作業動線と物流の最適化

これらの改善手順や事例はNCCのセミナーで紹介しています。

 

セミナーについて詳細は下記よりご覧いただけます。

 

PDRと気中粒子濃度の関係


汚染源の調査や作業手順の改善でもPDRが十分に低下しない場合、クリーンルームの新設またはアップグレードを検討する必要があります。
ISO14644-17では、必要なPDRLを満たすクリーンルーム設計のための気中濃度を5㎛粒子の濃度で換算できると記載されています。

表 PDRLとISO14644-1清浄度クラスの関係

>表 PDRLとISO14644-1清浄度クラスの関係

 

 

計算事例:R(20)PDR=200が必要な場合

20㎛のPDRを5㎛のPDRに変換
R(5) = R(20) × (D(20)÷D(5))= 200×(20÷5)= 800個/㎡・h

R(5)5µmのPDR
R(20)20µmのPDR
D(5)粒子の大きさが5µm
D(20)粒子の大きさが20µm

表から、5㎛粒子のPDR800は、200と2000の中間になるため、ISOクラス5が必要になることがわかります。

 

ただしこの関係式は、実際のデータが使用できない設計段階でのみ使用すべきです。
あくまでも概算であり、実測値とは必ずしも一致しない場合があるためです。

クリーン環境の構築に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。

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