粗大粒子管理の新指標PDRとは?
ISO14644-17に基づく完全ガイド

1. PDR(パーティクル デポジションレート)の基礎知識

粗大粒子管理の新指標PDRとは?ISO14644-17に基づく完全ガイド 1. PDR(パーティクル デポジションレート)の基礎知識
粗大粒子管理の新指標PDRとは?ISO14644-17に基づく完全ガイド 1. PDR(パーティクル デポジションレート)の基礎知識

粗大粒子による品質問題と従来の課題

ものづくり現場では、10㎛〜100㎛のゴミ・異物による品質不良が深刻な問題となっています。
これらのゴミ・異物は「粗大粒子」と呼ばれ、従来のパーティクルカウンターでは測定できず、換気回数を増やしても減少しない特性をもっています。

 

浮遊粒子と粗大粒子の違いは明確です。
浮遊粒子はパーティクルカウンターで測定可能で、換気回数の増加によって低減できます。
一方、粗大粒子は落下塵として測定する必要があり、換気システムでは除去できません。

 

ISO14644-17で制定されたPDRとPDRLの考え方が、リスクマネジメントの鍵となります。
以下で解説していきます。

ISO1466-17: 新しいクリーンルーム規格の制定


ISO14644規格は、クリーンルーム関連規格として第1部から第17部まで順次制定されてきました。

 

第9部にあたるISO14644-9によって、表面清浄度をSCP(Surface Cleanliness by Particle concentration)クラス分けする指標が登場しました。

 

SCPクラスは、物の表面にどれだけゴミ・異物が付着しているかを数値で表すキレイさの指標です。

表1 SCPクラス

>表1 SCPクラス

しかし、表面清浄度を規定しただけでは、粒子汚染のリスク管理に使う指標としては不十分でした。
ある場所の表面清浄度が変化する速度は、そこに降り積もる粒子の堆積速度で決まるためです。

 

この課題を解決するため、2021年に新たに制定されたISO14644-17では表面清浄度に「時間」の概念が新たに組み込まれ、生まれたのがPDRです。

PDRとは


PDRとは、Particle Deposition Rate(パーティクル デポジション レート)の略称で、1㎡の面積に1時間で何個の粒子が堆積するかを示す指標です。

 

PDR=個数÷(面積×時間)

 

単位は「個/㎡・hr」で表されます。

 

時間の概念が導入されたことによって、実際の作業において製品にどれだけ粒子が付着するかのリスクを具体的にイメージできるようになりました。

PDRLとは


PDRLとは、Particle Deposition Rate Level(パーティクル デポジション レート レベル)の略称で、PDRをレベル分けした指標です。
わかりやすく表現すると「粒子がどの程度落下してくるかの指標」です。

 

粒子の堆積速度PDRは表2のように5㎛〜500㎛の範囲でレベルとして表されます。

表2 PDRとPDRL

>表2 PDRとPDRL

表2から分かるように、粒子の大きさとPDRは比例関係にあり、同じPDRLであれば異なる粒子サイズ間で変換が可能です。

 

計算例:20㎛の粒子のPDRが500個/㎡・hだった場合、5㎛の粒子のPDRは以下のように計算されます。

R(5)=R(20)×(D(20)÷D(5))=500個/㎡・h×(20㎛÷5㎛)=2000個/㎡・h

R(5)5µmのPDR
R(20) 20µmのPDR
D(5)粒子の大きさが5µm
D(20)粒子の大きさが20µm

この場合、どちらもPDRLは1000となり、同等の堆積速度レベルを示します。

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