ISO14644-17に基づいた現場環境分析事例


本当に対策すべき異物とは?
管理指標の見える化で現場の意識を改革!
対策キーワード:クリーンルーム、ISO14644-17、粗大粒子、落下塵
長野県 医療機器製造業 A社様
お客様のお困りごと
クラス100,000のクリーンルームで医療機器向けの部品製造を行っているA社様は、付着異物の基準が厳しくなりクリーンルームの環境管理にお悩みでした。
クリーンルームの規格では管理するゴミ・異物サイズは0.1μm以上と定義されていますが、同社ではそのサイズの微小粒子は管理しておらず、客先より規定されているゴミ・異物サイズまで管理し、清浄度を上げるよう求められました。
しかし、清浄度を上げるための設備投資には数百万円かかる見込みで予算から大きくオーバーしており、頭を悩ませていたところ、Web検索で弊社のコンテンツをご覧いただき、お問い合わせいただきました。
NCCの提案
ゴミ・異物が起因して不良となるゴミ・異物の多くは、10μm以上であるのに対し、ISO14644-1で定義されているゴミ・異物の粒径が0.1μm以上であることから、本当に対策すべきゴミ・異物のサイズを誤って捉えていました。
そこで、「粗大粒子」のゴミ・異物管理や現状の清浄度を把握するために「落下塵測定サービス」の実施と、ISO14644-17に基づいた理想環境のご提案を行いました。
提案内容の詳細
落下塵測定サービスとは、弊社から送付した検体(シリコンウエハ)を用いてお客様ご自身でサンプリングし返送いただくだけで、測定環境にあるゴミ・異物のサイズや量を測定できます。
本サービスに加え、測定結果と粗大粒子領域の規定が含まれるISO14644-17を活用しながら、ワークの投影面積と曝露時間に粗大粒子がどのくらい降り積もるのか計算することで、現状の環境と理想の環境を導き出すことが可能です。
その結果、運用中のクラス100,000ではゴミ・異物が付着する可能性が非常に高く、理想環境である1グレード上のクラス10,000相当にて運用が必要だと判明しました。
また、より清浄度の高い環境を構築する際の懸念点であった費用については、必要な箇所だけを局所的に高い清浄度にする局所クリーン化をご提案しました。これにより、導入コストを10分の1に抑えながら、部分的にクラス10,000の環境を構築することに繋げられます。
効果とお客様の声
粗大粒子やISO14644-17に基づいた明確な管理指標により、クリーンルームへの入退室方法や製品の保管場所の変更など、現場の作業員のゴミ・異物に対する意識が変化し担当者様からは、「清浄度問題を解決する局所クリーン化の提案だけでなく大幅なコストカットの提案までいただき、相談してよかったと感じている。納品先からの要求されている環境指標にも対応できそうで安心した。」と、課題解決へ貢献することができました。
※こちらのお客様は秘密保持契約のため、イメージ写真を挿入しています。
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