クリーン工程診断
「イオナイザー性能調査」実施事例


イオナイザー性能の見直しで、一般環境での静電気不良を改善!
対策キーワード:静電気、溶着不良、イオナイザー、性能調査
長野県 樹脂成型加工業 E社様の事例
お客様のお困りごと
クリーンルームではない一般環境下で樹脂成型品の製造を行うE社様。
成形品の溶着工程で静電気が原因だと思われる不良が発生しており、改善の手立てを見つけるため弊社が2024年に開催した静電気セミナーを受講いただきました。
その際、「イオナイザー性能評価」という項目について知り、自社内で確認したところ、これまでイオナイザー評価を実施したことが無く評価方法もわからなかったため、性能評価のご依頼をいただきました。
NCCの提案
同社の要望であるイオナイザーの性能調査を行うため、「クリーン化工程診断サービス」をご提案しました。
「クリーン化工程診断サービス」内容
クリーン化工程診断サービスとは、ものづくり工程における課題解決に取り組むお客様向けに、10μm~100μmサイズである「粗大粒子」対策のプロが原因の見える化や調査を通して対策方法をご提案するサービスです。
今回は静電気が原因だと考えられたため、イオナイザー性能調査を実施しました。
具体的な内容としては、まず不良が発生している製品の帯電量を調査するために、”帯電電位計”にて表面の帯電電圧を測定しました。
そのあと、イオナイザーの性能を評価するために、任意の電圧を帯電させられる”チャージプレートモニター”を使用して、イオナイザーで除電し1/10まで帯電量が減衰する時間を計測し初期データを比較しました。
最後に、イオナイザーの針先汚れの目視確認を行いました。
調査結果
同社の製造装置4台に組み込まれている、バータイプ・ファンタイプの2種類のイオナイザー計8台について性能調査を実施しました。
調査の結果、8台中1台のみが初期性能を維持しており、5台は除電性能が初期性能の1/5以下まで低下、残り2台については全く除電ができていない状況ということがわかりました。
そこで、イオナイザーの針先を確認したところ、視認できる量の汚れが付着していることが確認でき、お客様へのヒアリングからも「製造装置の設置時から装置メンテナンスは未実施」であることがわかりました。
本サービス終了後、至急イオナイザー針の清掃を実施いただくなど、静電気不良の対策を行っていただいたとのことです。
お客様の声
今回イオナイザー性能調査を行い除電能力の確認ができたことで、お客様からは「除電効果は目で見えないため設置していることで除電ができていると考えていた。今後は定期的なメンテナンスを実施し、除電性能を維持していきたい。」と装置メンテナンスと、それに合わせたイオナイザーの性能評価の重要性についてご理解いただけました。
担当営業の声
静電気が目に見えないのと同様に、イオナイザーの除電性能も直接的に確認することは難しく、定期的なメンテナンスを実施していない状態では徐々に性能が低下していきます。
実際、数年間メンテナンス未実施で稼働したイオナイザーは10%も効果を発揮しない場合があり、「除電しているつもりができておらず、気付かないうちに不良品を量産していた」ということになりかねません。
また、イオナイザーにはクリーン環境下で使用されることを想定している製品もあり、一般環境下でご利用の場合、月2回程度の針先清掃メンテナンスの実施に加え、年1回程度の除電性能調査の実施をオススメします。
もし自社のイオナイザー性能に不安がある方は、NCCにご相談下さい。
弊社はこれまでの経験や知見に基づき、お客様毎に最適なご提案が可能です。
この事例に関する内容については、お気軽にお問い合わせ下さい。