工業用水の水質と用途
【純水と伝導率について】
ものづくり現場で「純水」を使う理由や単位を
工業洗浄のプロが解説!
工業用水の水質と用途
ものづくり現場の洗浄工程では、用途に合わせて様々な種類の「水」が使われており、一見透明でキレイに見える「水」でも”不純物”を多く含むもの、除去されたもので用途が異なります。
水道水が工業洗浄に適していない理由
水道水と純水、超純水の一番の違いは「水の純度」です。これは水の電気伝導率に左右され、電気伝導率が高く電気が流れている水道水は不純物を多く含み、精密な洗浄や製品製造には適していません。
一般的に”不純物”というと、ゴミや異物のようなイメージですが、ものづくりにおいては“ミネラル”等も不純物になります。ミネラルを含んだ水道水や天然水で製品を洗浄すると、水分が蒸発した後にミネラル分が表面に白く残ってしまうため、このミネラルすら除去する必要があるのです。
水質別工業用水の用途
工業用水には純度別に、「水道水・純水・超純水」があります。
文字からも分かるように、超純水ほど純度が高くより精密・高品質な洗浄に使用されます。
下記の表に水質別工業用水の用途を示しました。あくまでも目安ですので、お客様の用途に見合った水質をテストしてから洗浄を実施してください。
純水の単位とは
純水を示す単位には、2つの指標があります。
純水を示す2つの指標
- μS/cm(マイクロジーメンス パー センチメートル)
=電気伝導率
=電気の流れやすさ:数値が小さいほど水質が良い -
MΩ・cm (メグオーム センチメートル)
=比抵抗値
=電気の流れにくさ:数値が大きいほど水質が良い
水は電気を通しやすいというイメージが多いかもしれませんが、実のところ完全な純水は電気を通しません。水に電気が流れるのは、水の中に含まれている不純物が電気を通すからです。
このことから、電気が流れにくい=不純物が少なく純水に近い=水質が良いということになります。
低めの水質ではμS/cm、超純水やそれに近い高い品質の純水はMΩ・cmで使用されるケースが多いです。
弊社はこれまでの経験や知見に基づき、お客様毎に最適な純水生成装置・純水洗浄システムをご提案する事が可能です。
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