金属脱脂洗浄後の評価方法と効率化ツールについて

金属脱脂洗浄後の評価方法と効率化ツールについて
金属脱脂洗浄後の評価方法と効率化ツールについて

製品に付着した油分残渣を簡単管理!
洗浄後評価方法とオススメ効率化ツールを解説

金属加工の製造現場では、切削油剤やプレス油など様々な油剤を使用して、生産が行われています。

金属製品を加工した後に脱脂洗浄工程を設けている現場も多いと思いますが、脱脂洗浄を行っているからといって、全て綺麗に脱脂できているわけではありません。

製品に付着している油分は目視では確認できずに、そのまま次工程に移ってしまうことがあります。

 

そのため、洗浄不良が発生した時は、不良の原因を調査するために残留油分の評価を行います。その評価方法の種類は以下の通りです。

定性的評価方法

墨汁を使用した簡易的濡れ性確認、ブラックライトによる目視評価、セロハンテープを使用した粘着評価

定量的評価方法

試薬を使用した濡れ性確認、接触角測定、赤外分光光度測定

定性的な洗浄後油分評価方法


墨汁を使用した簡易的濡れ性確認

 

脱脂洗浄後、乾燥させたサンプルに墨汁を塗布し、そのハジキ具合を確認する簡易的な脱脂洗浄度確認方法です。脱脂が不十分であれば油が墨汁をはじき、均一に塗ることができません。

 

 

 ブラックライトによる目視評価

 

加工油の中に蛍光物質が含まれている場合、ブラックライトの光を当てる事で油分残渣が発光し、見える化することができます。ライトは軽量で現場で持ち歩くことができ、いつでも油分残渣を確認することができます。

 

 

セロハンテープを使用した粘着評価

 

脱脂洗浄後のサンプルにセロハンテープを貼りつけ、剥がす方法です。サンプル表面に油分残渣があると簡単にテープが剥がれ、十分に脱脂できていればテープが剥がれないという仕組みです。使用するセロハンテープや剥離条件は毎回同じにする必要があります。

定量的な洗浄後油分評価方法


試薬を使用した濡れ性確認

 

ダインペンという、濡れ性や表面張力を評価する試薬を用います。ダインペンは表面張力別に数種類あり、あるダインペンを塗ってから1段階ずつ低い表面張力のダインペンを塗っていき、インクをはじかなくなった時がそのサンプルの表面張力の値ということになります。

 

 

 接触角測定

 

サンプル表面の水滴の接触角を測定する方法です。サンプルが十分に脱脂できていると、サンプル表面に落ちた水滴はべたっと広がり、サンプルを水平面とした時の水滴が接触している時の角度は小さくなります。逆に、油分残渣があるとサンプル表面に落ちた水滴は丸い粒状に盛り上がり、接触角は大きくなります。

 

 

赤外分光光度測定 

 

赤外分光光度測定を用いて、抽出した油分の吸光度を測定し、予め評価した検量線を用いて油分量を算出する方法です。

今すぐ油分残渣があるか知りたい!オススメ効率化ツール


通常、残留油分測定は結果が出るまで1週間程度かかるため、今現場で起きていることをその場で確認することができず、不良の原因が洗浄不良によるものなのか、後工程で使用している塗料・接着剤によるものなのかを判断をするのに時間が掛かってしまいます。

 

しかし、定量的に油分残渣を確認するよりも、現場で管理を行う方には「今、どこに油分が残っているのか」を一刻も早く知りたいのではないでしょうか。

 

そこでオススメなのが、ワークを照らすだけで簡単・即時に油分残渣を確認出来るブラックライト「UVアーテルS」です。

UVアーテルSの光自体は強力なブラックライトであり、人の目にはほとんど見えませんが、製造現場で使用される加工油剤等には蛍光体が含まれている物が多く、付着した加工油剤が洗浄工程で除去できないと、この光を浴びた蛍光体が発光し人の目に見えるようになります。
また、油分を見える化することができるため、工作機などのオイル漏れ等の検出に使用することも可能です。

 

洗浄不良(脱脂不良)がどこで起きているか分かることで、洗浄装置の改善や洗浄液の入れ替えなど、不良の原因究明および問題解決に向けスピードUPが図れます。

 

UVアーテルSはデモ機の貸し出しも可能です。
詳しくはこちらのページでご確認ください。

詳細はこちら-洗浄

その他、弊社はこれまでの経験や知見に基づき、お客様毎に最適な脱脂洗浄システム、及び洗浄後評価方法をご提案する事が可能です。
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