ものづくりにおける洗浄後ワークの乾燥方法について

ものづくりにおける洗浄後ワークの乾燥方法について
ものづくりにおける洗浄後ワークの乾燥方法について

工業洗浄の乾燥工程はコストと効率に直結する!
各乾燥方法のメリット・デメリットを解説

部品を洗浄した後は、次の工程がめっきなどのウェットな状態でも良い場合を除き、必ず乾燥工程が必要になります。
部品の材質や形状、処理する量により、それぞれに適した乾燥方法があります。

また、新たに洗浄設備を導入する場合、洗浄剤の選定や洗浄方法などに重点が置かれますが、乾燥方法の検討はこれと同じくらいに重要であり、乾燥方法や乾燥時間によって設備全体の構成が決まる場合もあります。

 

代表的な乾燥方法は以下の通りです。

  • 熱風乾燥
  • 真空乾燥
  • 蒸気(ベーパー)乾燥
  • 遠心乾燥
  • 液置換

1つずつ説明いたします。


 熱風乾燥

最も一般的な乾燥方法で、比較的安価に導入できます。高温の熱風で液を蒸発させるため蒸発ロスが大きく、溶剤系洗浄剤の場合は消費量が増える傾向にあります。

 

 

 真空乾燥

乾燥槽を真空にすることで洗浄液の沸点を下げ、蒸発させる方法です。微細な穴や隙間に入った液も乾燥することができ、極度乾燥に適しています。

ただ、真空ポンプが高価なため装置価格が高くなる傾向にあります。

 

 

 蒸気(ベーパー)乾燥

洗浄液蒸気が製品表面に触れると凝集し水滴になることで仕上げ洗浄を行うと同時に、高温であることから乾燥も行う方法。重なった部分も均一に乾燥することができ、製品表面の清浄度を上げることができる。

可燃性洗浄液を使用する場合は、装置に防爆仕様が必要となる。

 

 

 遠心乾燥

傘についた水滴を傘を回すことで払うように、乾燥槽を回転させることで遠心力により水分を飛ばす方法。沢山の部品を同時に乾燥させることができるが、部品同士が傷付く可能性がある。

 

 

 液置換

乾燥性の悪い洗浄剤で洗浄した後、乾燥しやすい液で洗浄し直すことで乾燥性を高める方法を液置換と言います。

 

例えば、水洗浄やアルカリ洗浄後のすすぎ水が付いた部品を乾燥させる際に、部品の形状や材質によってはシミになったり乾燥残りによる錆が発生してしまう場合があります。

この時、乾燥しやすい溶剤系や石油系の液体で表面を置換します。

 

ただ、それぞれの液に対して相性があるため、実験して組み合わせを確認する必要があります。

新たに洗浄設備を導入される場合、乾燥方法の違いで処理時間や装置の価格が決まってきますので、事前に様々な実験をすることをお勧めします。

 

NCCは様々な乾燥機メーカーとの取引があり、これまでの経験や知見に基づいてそれぞれのお客様にあった乾燥方法の選定のお手伝いが可能です。
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