塩素系・臭素系洗浄剤の代替について
塩素系・臭素系から脱却するにはどうしたらいい？
工業洗浄のプロが解説
浸透性が高く洗浄力が強いことから、金属製ワークの脱脂洗浄や光学レンズ洗浄などに使用されてきた塩素系洗浄剤と臭素系洗浄剤。しかし、塩素系洗浄剤は発がん性が、臭素系洗浄剤には生殖毒性があることから、人体や環境への影響を考え洗浄剤の代替を検討される方が増えています。
塩素系・臭素系洗浄剤からの代替先には、2つの洗浄剤が挙げられます。
・炭化水素系洗浄剤
・水系洗浄剤
今回はこの2つの一般的な洗浄システム解説と代替のメリット・デメリットについて解説します。
塩素系・臭素系洗浄剤からの代替
【炭化水素洗浄剤の場合】
一般的な洗浄システムを使用する時の違い
炭化水素洗浄では、油脂分の脱脂を目的として多く代替されます。
- 洗浄装置は、洗浄槽を2～3槽+乾燥装置が必要
- 真空技術を利用することで、製品の隙間や袋穴などに付着した油分まで洗浄できる
- 超音波を効果的に利用することができる
- 乾燥には温風乾燥や真空ベーパー乾燥を用いる
- 消防法の危険物に該当するため、防爆仕様が必要
炭化水素洗浄剤に代替するメリット・デメリット
- 【メリット】
- 現在最も主流な洗浄剤であり、実績が豊富
- 真空技術や超音波を併用することで洗浄品質を向上させることができる
- 洗浄剤コストが安価かつ蒸留再生が可能で、ランニングコストが比較的低い
- 加工油など油の洗浄に優れる
- 毒性が低く人体に優しい
- 【デメリット】
- 塩素系・臭素系洗浄剤と比較して、通常の洗浄システムでは洗浄性が劣る
- 引火性のある危険物であるため、取り扱いに安全配慮が必要
- 塩素系・臭素系洗浄剤と共通の洗浄機を使用することができず、防爆洗浄機の導入が必要でイニシャルコストが掛かる
弊社が開発した低コンタミ炭化水素洗浄システム「ACSys」は洗浄品質を落とさず、環境に優しい洗浄が可能ですので、塩素・臭素系洗浄剤の代替に最適です。
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塩素系・臭素系洗浄剤からの代替
【水系洗浄剤の場合】
一般的な洗浄システムを使用する時の違い
水系洗浄剤は、一般的に工業用洗剤を水で希釈して使用します。
- 中性・アルカリ性・酸性タイプがある
- 乾燥には一般的に温度+風量を使用
- 脱脂目的の精密洗浄をする場合、洗浄槽・リンス槽を多数設ける必要がある
- 製造物の加工間の切粉や異物を除去する中間洗浄で多く使用される
水系洗浄剤に代替するメリット・デメリット
- 【メリット】
- 毒性が低く、人体に対して優しい
- イオン性の汚れの洗浄性に優れる
- 洗浄剤を希釈して使用するので液コストが低い
- 洗浄液が危険物や毒物でないので、取り扱いや管理が容易
- 【デメリット】
- 水を使用するため浸透性が低く、洗浄性が劣る
- 水の蒸発速度が低く、金属製品の洗浄の場合錆が発生する可能性がある
- 乾燥性が悪い為、熱エネルギーと時間を多く費やす
- 装置サイズが大きく、スペースを取る
- 廃水を処理するのに下水や河川放流ができないので、排水処理設備が必要となりイニシャルコストが高くなる
弊社はこれまでの経験や知見に基づき、お客様毎に最適な洗浄剤を各メーカーの中から選定する事が可能です。
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