臭素系洗浄剤の特徴と洗浄方法
臭素系洗浄剤は今後も使える?
メリット・デメリット等も紹介
臭素系洗浄剤は塩素系洗浄剤の代替として一時期注目を浴び、価格は塩素系洗浄剤の4~5倍程度しましたが、当時は法規制も緩く切り替えが進められました。
しかし、その後生殖毒性がある事が認められ、臭素メーカーである東ソー㈱が生産中止を打ち出してからは、臭素系洗浄剤の採用を検討されるお客様は減少傾向にあります。
臭素系洗浄剤のメリット・デメリット
- 【メリット】
- 浸透性が高く、油汚れに対する溶解性が高い
- 引火点が無い
- 不燃性の為蒸留再生が可能
- 塩素系洗浄剤と同じ洗浄機が使用できる
- 【デメリット】
- 生殖毒性があるので適切な使用が求められる
- PRTR法、安全衛生法有機則に該当する
- 樹脂、プラスチックの洗浄には使用できない
臭素系洗浄剤を使用した洗浄方法
塩素系洗浄剤と同様に、一般的に3槽式で洗浄を行います。
1槽目
温浴超音波・振動で粗洗浄を行う
2槽目
冷浴にてリンス洗浄を行う
3槽目
ベーパー洗浄で、加熱した洗浄剤の蒸気を製品に結露させ洗い流す
臭素系洗浄剤の安全性と法規制について
臭素系洗浄剤は人体へ生殖毒性がある事等から、PRTR法や安全衛生法有機則に該当し、適切な管理、廃液処理や保護具の着用が必要です。
また、2017年より臭素系洗浄剤の代表的な物質である1-プロモプロパンがラベル表示・SDS交付・リスクアセスメントの対象に追加され、これまで以上に適切な管理・使用方法が求められるようになりました。
さらに、2023年4月1日から労働安全衛生法の関係省令が改定されたことで、塩素系洗浄剤と同様にリスクアセスメント実施、作業者の適切な保護具の使用、化学物質管理者や保護具着用管理責任者の選任の義務などが課され、作業者のばく露低減に向け様々な取り組みが義務付けられるようになりました。
また、新たに作業環境測定方法と許容濃度が0.1ppmに制定されたことで代替洗浄を検討されるお客様が増加しています。
弊社はこれまでの経験や知見に基づき、お客様毎に最適な洗浄剤を各メーカーの中から選定する事が可能です。
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