2. 不良率ゼロを目指す「クリーン環境構築」
生産環境の不良率ゼロを実現するためには、まず「工程診断」を行い
自社の生産環境の現状を把握し不良の発生要因を明らかにすることが必要です。
工程診断により不良要因が明確化できたら、その要因に基づき自社に最適なクリーン環境構築を検討していきましょう。
クリーン環境とは具体的にどんなものがあるの?
クリーン環境の実例として代表的なものはクリーンルームです。
クリーンルームとは、「微細な粒子の発生を極力抑え、特定の清浄度レベルが維持、管理されている空間のこと」を指します。また、国際規格“ISO14644-1”では「浮遊粒子濃度が制御され、微小粒子の流入、生成、停滞が最小限に抑えられ、温度・湿度・圧力などが必要に応じて制御される部屋」と定義されています。
クリーンルームの種類
クリーンルームは清浄化のメカニズムで大きく分けて、一方向流式と非一方向流式に分類されます。
1. 一方向流式 (置換)
一方向流式は、部屋の空気をHEPAフィルター等で清浄化した空気で一方向に流す方式で、クリーンルーム内の空気をきれいな空気へ置換します。全面ダウンフローなどが一方向流式の代表的な方式で、高い清浄環境が得られます。床がグレーチングとなっているため粒子も舞い上がることがありません。
2. 非一方向流式(希釈)
非一方向流式は、部屋の空気にHEPAフィルター等で清浄化した空気を混合することで、微粒子濃度を低減します。
乱流式クリーンルームなどが非一方向流式の代表的な方式で、天井や壁面にクリーンエアーの導入口やリターン口を設けることで、浮遊汚染粒子を希釈して清浄化を制御します。床はベタ床のため、定期的に清掃しホコリを除去する必要があります。
クリーンルームの管理方法
クリーンルーム設置後の品質と清浄度を維持するための管理方法として、「5S」と「クリーン化四原則」という2つのアプローチが有効です。
1. 5Sの活用
「5S」とは整理(Seiri)、整頓(Seiton)、清掃(Seiso)、清潔(Seiketsu)、躾(Shitsuke)の日本語の頭文字を取ったものです。これをクリーンルームにも応用することで、より効果的な清浄度の維持が可能となります。
2.クリーン化四原則
クリーン化四原則は、「持ち込まない」「発生させない」「堆積させない」「除去する」の4つの原則から成り立ちます。
これらの原則を守り持続的な取り組みを行うことで、クリーンルームが、生産環境の不良率ゼロを実現させる効果的な対策として成り立ちます。
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