従来設備を変えないクリーン化


近年、製造品の小型化や環境に対する意識の高まり、感染症への対応などから、現場に求められる品質要求は厳しくなり、クリーン環境の構築を検討される企業も増加しています。
しかし、それに伴いクリーン化機器の導入や、製造プロセスの変更など、費用と手間がかかることに懸念する企業も多いです。できるものなら、設備や製造プロセスは従来のままがいいと思いませんか?
そこでオススメしたいのが「局所クリーン化」です。
局所クリーン化とは、必要な場所や空間だけを周囲より高い清浄度(クリーン環境)にするクリーン化技術です。
局所クリーン化の手法
局所クリーン化には、いくつかの異なる手法があります。
一つは、既にクリーンルーム内にある部分エリアを更にクリーン化し、より高度なクリーン環境を作る方法です。
もう一つは、一般環境の中で必要な箇所だけを簡易的にクリーン化する方法です。
特に、発塵が多い設備をクリーンルーム内に入れる場合、非一方向流(乱流式)のクリーンルームでは換気が間に合わず、異物不良が増える可能性があります。そうした場合は、なるべくオープンな環境を作り、上流から下流に向けて空気を吹き流す方法が有効です。
また、加工プロセスで発塵が多い場合は、加工エリアを隔離し、集塵設備を活用することが非常に重要です。シートやパネルを使って仕切り、気流を制御して周囲への拡散を防ぐ対策が必要です。クリーンブースやFFU(ファンフィルターユニット)を加工ラインに適切に設置し、気流の制御を行うことで効果的なクリーン化が実現します。