クリーンルームのクラスとは?
必要な換気回数や管理方法を解説!
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- ∨ まず「清浄度レベル」とそれを表す「清浄度クラス」について知ろう
- ∨ FED?ISO?清浄度クラスはどれを使えば良い?
- ∨ 清浄度のイメージ ~ISO規格とFED規格の違い~
- ∨ ISO規格とFED規格の対応表
- ∨ クラス別!管理に必要な換気回数とは
- ∨ 「クラス100」の清浄度を実現するためには
- ∨ 関連サービス
クリーンルームのクラスって?どのように決められているの?
具体的な換気回数や管理についてプロが解説
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クリーンルーム規格のクラス100やクラス1000とは、空気中の粒子数を表す指標であり、クリーンルーム内の空気の清浄度を示す重要な基準です。
これらの数字はFEDを始めISO 14644規格などで定義されており、クラス別に求められる管理方法が異なります。
ここでは、クリーンルームのクラス=「清浄度クラス」についての詳細と、その管理方法をお伝えします。
まず「清浄度レベル」とそれを表す「清浄度クラス」について知ろう
クリーンルームを管理する上で欠かせない知識として、「清浄度レベル」と「清浄度クラス」があります。
清浄度レベルとは
特定のある場所、またはある空間中に存在する汚染物質の量または粒子の大きさ別に分級された数によって、等級分けされた清浄度の程度のこと。
清浄度クラス
清浄度レベルを表す具体的な指標のこと。ISO 14664、JISのほか、廃止にはなりましたがFEDも未だに使用されています。よく聞く「クラス100」などのクリーンルームクラスのことです。
FED?ISO?清浄度クラスはどれを使えば良い?
清浄度クラスには大きく3つの規格があります。
現行で使用されているものはJIS規格とISO規格ですが、FED規格(アメリカ連邦規格)も粒子数や清浄度がイメージしやすく古くから使われてきたことから、米国や日本においては廃止されてもなお使用され続けています。
FED(FED-STD-209)/アメリカ連邦規格
・1963年 Federal Standard 209(FED-STD-209) 制定
・1988年 FED-STD-209D に改定
・1992年 FED-STD-209E に改定
・2001年11月に廃止されISOに統合
・「クラス100」「クラス10,000」という表し方をする
JIS B 9920
・1975年 日本の規格として制定
・2002年 改定
・2019年 改定
・クラス1~8に分類しており、ISOとは対象とする粒径が異なる。
ISO 14644-1
・1999年 国際規格として制定
・2015年 改定
・クラス1~9に分類しており、JISとは対象とする粒径が異なる。
ちなみに、これらの規格は空間中に浮遊する比較的小さい「浮遊塵」を対象としています。
比較的大きく、床や作業台、製品などの表面に落下・付着する性質を持つ「落下塵」はまた別の「ISO 14644-9」で定義されています。
また、「ISO 14644-1」と「ISO 14644-9」を関連付けるのに必要な「SCPクラス」というものも存在します。
詳しくはこちらのページをご覧ください。
清浄度のイメージ ~ISO規格とFED規格の違い~
清浄度レベルは特定の空間における汚染物質の大きさ別の量で決まりますが、簡単にイメージするために立方体を思い浮かべてください。
FED規格の場合、立方体の一片の長さはフィートで表現されます。
現在フィートはほとんど使われることが無くなりましたので、一片の長さをメートルで表すISO規格やJIS規格が現在主流になっています。
その他にも違いがあります。
FED規格は1立方フィート中の粒子径が0.5μm以上なのに対し、ISO/JIS規格は1立方メートル中の粒子径が0.1μm以上の粒子個数で等級分けされます。
ISO規格とFED規格の対応表
FED規格はISO規格に統合されたことから、2つの規格は対応しています。
指定粒径以上の許容粒子濃度から見るISOクラスとFEDクラスの対応はこの表の通りです。
ISO清浄度クラス | 指定粒径以上の許容粒子濃度(個/㎥) | FED-STD-209D清浄度クラス | |||||
0.1μm | 0.2μm | 0.3μm | 0.5μm | 1μm | 5μm | ||
1 | 10 | - | - | - | - | - | |
2 | 100 | 24 | 10 | - | - | - | |
3 | 1,000 | 237 | 102 | 35 | - | - | 1 |
4 | 10,000 | 2,370 | 1,020 | 352 | 83 | - | 10 |
5 | 100,000 | 23,700 | 10,200 | 3,520 | 832 | - | 100 |
6 | 1,000,000 | 237,000 | 102,000 | 35,200 | 8,320 | 293 | 1,000 |
7 | - | - | - | 352,000 | 83,200 | 2,930 | 10,000 |
8 | - | - | - | 3,520,000 | 832,000 | 29,300 | 100,000 |
9 | - | - | - | 35,200,000 | 8,320,000 | 293,000 |
クラス別!管理に必要な換気回数とは
高い清浄度を実現するためには、もちろん空気を入れ替えるための“換気”回数を増やす必要があります。
また、少ないフィルタで換気を行うよりも、多くのフィルタで行う方がより効率的かつ高い効果が得られます。
こちらの表では清浄度クラス別の換気回数と、フィルタ天井配置率の一例を紹介しています。
ISOクラス(FEDクラス) | 換気回数(回/h) | フィルタ天井配置率 |
---|---|---|
3(1) | 420 | 全面 |
4(10) | 360 | 全面 |
5(100) | 200 | 50% |
6(1,000) | 35 | 10% |
7(10,000) | 25 | 7% |
8(100,000) | 15 | 4% |
「クラス100」の清浄度を実現するためには
クラス100とは、28.3L(約30cm四方の立方体)の空気中に0.5μmの粒子が100個以下の状態をさします。
部屋の空気をよりキレイにすることに加え、舞い上がる粒子を抑制しないとクラス100の環境は構築できません。
このレベルからは、一方向流式のクリーンルーム構造が必要になります。
◆クラス100を実現するために用いられる方法:一方向流式(置換)
空気をキレイに入れ替える置換方式です。
- 床がグレーチングとなっているため粒子の舞い上がりを抑えることができます。