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塗装技術セミナー inWEB 2023「環境対応とコスト対応を両立するための技術」を開催しました!

更新

塗装技術セミナー inWEB 2023「環境対応とコスト対応を両立するための技術」を開催しました!

終了しました

2023

06 / 29 (木)
場所
オンライン(ZOOM)

環境対応とコスト対応を両立するための技術
~塗装効率化と品質UPを通したコストダウン情報~

昨年に引き続き、2023年6月29日に「塗装技術セミナーin WEB 2023」を開催致しました。
本年は定員をオーバーした約110名の視聴者様にご覧いただき、各セクションにおいても多くのご質問を頂き時間のある限りお答えさせていただきました。

 

ご参加いただきました皆様に心より御礼申し上げます。

講演内容


環境対応とコスト対応を両立するための技術

 

今回は、昨年開催し好評を頂きました”NCC塗装シンポジウム2022 in WEB”にて明らかとなった環境対応への投資と業界がおかれている現実とのギャップを解決するため、環境とコストの両立に焦点を当てて塗装機や塗料、低コストでできる不良対策方法について講師よりご紹介しました。

 

 

各セクションのテーマ

  • 1.入り込み性と高塗着効率を実現する塗装機器のご紹介 (45分) / サメス株式会社 代表取締役丹野様
  • 2.塗装の工程短縮、乾燥温度の低温化を実現する塗料のご紹介 (45分) / ナトコ株式会社
  • 3.不良原因の見える化および塗装直行率向上とコストダウン (60分) / 平田技術士事務所 平田様

弊社代表 原田より開演のご挨拶

 

我々塗料・塗装業界に身を置く者は環境負荷の大きい商品を扱う点から、環境対応にはかねてより注意深く取り組んできたが、コストとの兼ね合いからそれが後回しになる面もあった。だが、地球環境に配慮する現代において何もしないというわけにはいかない。製品の中身が時代と共に変化しても、外装と塗膜が変わらず残る限り色や機能性は求められることから、環境対応と共にそのような期待に応え続けたい。

入り込み性と高塗着効率を実現する

塗装機器のご紹介

サメス株式会社 代表取締役丹野様

 

環境対策後進国の日本における塗装の2大テーマとして、環境対策と自動化があるが、同社の「エアミックスガン」は静電を使わず安全ながら86%と高塗着効率で、2段階霧化方式により美観も叶えるため導入ハードルが低い。エアと塗料の使用量削減、また高い入り込み性により簡素なティーチングで良い事からロボットと組み合わせた回転自動塗装が可能となる点など、塗装工程全体でのコスト削減効果を伝えた。

塗装の工程短縮、乾燥温度の低温化を実現する塗料のご紹介

ナトコ株式会社 工業塗料チーム 早川様・矢田様

 

塗装に掛かるランニングコストのうち、光熱費と人件費について塗料での解決方法を具体例を用いて紹介した。同社塗料の中で、低温焼付塗料と1コート塗料が例に上がったが、低温焼付塗料は他社よりも焼付温度範囲が低く、20℃下げた温度で焼き付けた際のシミュレーション結果も提示。1コート塗料は、塗装時間・塗装費・塗料保管数が削減可能である点から総合的な人件費削減効果を述べた。

不良原因の見える化および塗装直行率向上とコストダウン

平田技術士事務所 技術士 平田様

 

塗装不良対策をもっと楽しくすることをコンセプトに、コストをかけずにできる方法を紹介。不良対策をするためには、どれくらいの損失が発生しているのか?どのような不良が発生しているのか?について現場全員が共通認識を持ち改善に取り組むことが重要であり、異物や現場気流の見える化や不良率の定点観測を通じた改善活動を継続することで不良率2%を切ることは可能だと示唆した。

同氏の講演内には、様々な見える化グッズを使用し実際に異物が見える様子を解説する場面もあり、実践的な方法紹介に「自社でもできる事をすぐに取り組んでみたい」という感想も頂きました。

参加者の声


  • 特にブツ不良で悩みがあるため、紹介された不良対策をできる範囲で試してみようと思った。
  • 異業種だが、塗装業における課題や対策方法を知ることができ有意義だった。
  • さらに塗装不良対策について深掘りしてほしい。

講演中Q&A紹介(一部抜粋)


1. 入り込み性と高塗着効率を実現する塗装機器のご紹介

Q:エアミックスは短時間での厚膜塗装は可能ですか
A:可能です。エアミックスは元々エアレス技術から来ているものなので、厚膜塗装は得意です。

Q:エアミックスでのメタリック塗装は可能ですか
A:エアスプレーと比較してチップ口径が1/10と小さい為、メタリック等の粒が詰まりやすく、塗料によってはスプレーできない場合もあります。また、霧化方式がエアスプレーとは別物でメタリックの配列も異なることから、仕上がりも違ってきます。

2. 塗装の工程短縮、乾燥温度の低温化を実現する塗料のご紹介

Q:低温焼付塗料に興味がありますが、導入した際のデメリットはありますか
A:現在お使いの塗料と比較して、環境対応や低温化を加味して単価を比べる必要があります。また、鉛筆硬度等の諸物性についても従来の塗料よりも大きく劣ることはありませんが、求められる性能に見合うか検討する必要があります。

Q:1コートタイプの塗膜物性は従来の塗料と違いがありますか
A:基本的に物性は従来の上塗り塗料と大きな違いはありません。下塗りとしての性能は1コートタイプ塗料の中でもラインナップがあり、素材によって求められる防錆力や用途からお選びください。

3. 不良原因の見える化および塗装直行率向上とコストダウン

Q:濡らしたタオルを床に置くことでも、床に水を撒くのと同等の静電気除去、異物吸着効果はありますか
A:タオルが乾いた際に繊維が離脱して異物となるのでやめましょう。

Q:原因不明のハジキはどのように原因追及したら良いでしょうか
A:素材への油分付着、コンプレッサーエアーからの水分、塗料由来など様々なケースが考えられます。コンプレッサーエアーにもJIS規格があるため、一度見直してみましょう。

今回のWEBセミナーが、塗装現場の環境対応とコスト対応の両立を考えるきっかけとなり、
業界全体の課題解決へ向けた大きな取組の一つとなれば幸いです。

 

NCCはこれからも業界の発展と情報発信に貢献して参ります。

 

 

ブログでは本セミナーの写真や裏側を公開中!こちらもご覧ください。

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